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ホール後方からの撮影が多い中、音響設備の使用が難しく、自前でマイク収録を依頼されることがあります。この場合、撮影ブースは客席後方、マイクは舞台前方と、距離のある配置になります。
通常のマイクケーブルを長距離這わせると、お客様の動線を邪魔してしまいます。細いケーブルで代替できれば取り扱いが楽になるため、LANケーブルを使った伝送方法を試してみました。
LANケーブルでオーディオ伝送するメリット
LANケーブル(カテゴリ5e以上)はツイストペア4組(8本の信号線)とシールドを持っており、工夫した変換を使うことでXLRケーブルをバランスで伝送できます。従来のアナログマルチケーブル(スネークケーブル)と比べて、軽量で取り回しがしやすく、LANケーブルは入手性が高いため断線などのトラブル時もリカバーしやすい点がメリットです。
使用した機材
マルチケーブルボックス BDF104L・BDM104L
マイク側(メスタイプ)とミキサー側(オスタイプ)の2種類を組み合わせて使用します。CAT5e STP仕様のLANケーブル1本で4チャンネルのXLR信号を伝送できます。4本のケーブルを1本にまとめられるため、ステージやスタジオの床をすっきりさせることができます。

使用結果
30mのLANケーブルを使用しましたが、大きなノイズもなく問題なく使用できました。観客500名規模のホールで使用できたため、一般的な演奏会会場では十分な汎用性があります。
ミキサー側には30cmの短いXLRケーブルを4本用意しておくと、配線がすっきりします。
注意点:LANケーブルの選択
すべてのLANケーブルでファンタム電源(48V)が通るわけではありません。ケーブルによって結果が異なりました。
ファンタム電源が通らなかったケーブル
踏まれても耐えられるよう屋外用ケーブルを購入しましたが、ファンタム電源が通りませんでした。ダイナミックマイクでは音声が通ったため、48Vの耐圧に問題があると考えられます。
ファンタム電源が通ったケーブル
一般的な家庭用LANケーブル(STPケーブル)では、48Vのファンタム電源で問題なく使用できました。配線が細く踏まれると不安はありますが、ケーブルプロテクターで保護すれば問題ありません。
| ケーブル種類 | ファンタム電源(48V) | 備考 |
|---|---|---|
| 屋外用LANケーブル | × | ダイナミックマイクは使用可 |
| 家庭用LANケーブル(STP) | ○ | コンデンサーマイク使用可 |
動線対策
LANケーブルは細いため、背の低いケーブルプロテクターで対応できます。1mのものを3つに切って、お客様の動線に配置しました。
ファンタム電源使用時の注意点
ファンタム電源を使用する際は、いくつかの注意点があります。まず、ファンタム電源を入れたままケーブルを抜き差しすることは非常に危険で、コンデンサーマイクが故障する可能性があります。また、ジャンクションボックスに振動が伝わると一瞬ファンタム供給が途絶え、事故につながる可能性があるため、ボックスはしっかり固定しておく必要があります。
まとめ
BDF104LとBDM104Lを使用することで、LANケーブル1本でコンパクトにマイクを遠方に配置できるようになりました。従来のアナログマルチケーブルに比べて軽量で取り回しがしやすく、入手性も高いのがメリットです。
コンデンサーマイクを使用する場合は、STP仕様の家庭用LANケーブルを選ぶことが重要です。
参照記事
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/275503/BDF104Lの製品仕様について参考にしました。

ファンタム電源の基本と注意点について参考にしました。



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