とわのねの和楽器普及の取り組みのひとつとして、和楽器チューナーアプリ「とわいと」を公開しました。箏(こと)や三味線をはじめとする和楽器の調弦を助ける、無料のチューナーです。ブラウザで使える Web 版に加え、Android 版(Google Play)と iOS 版(App Store)を用意しています。
マイクから拾った音は端末の中だけで解析していて、音声を外部に送ることはありません。個人情報の収集もなく、アカウント登録も不要です。思い立ったときにすぐ開いて、音を合わせて、閉じる。その手軽さを大事にしています。
とわいとでできること
和楽器の調弦は、洋楽器向けのチューナーだと少し勝手が違います。とわいとは十二律に対応し、平均律と純正律をワンタップで切り替えられるようにしました。三味線の古典調弦(本調子・二上り・三下り・六下り)や、箏の調子プリセットからも合わせられます。
- 十二律対応/平均律・純正律のワンタップ切り替え
- 三味線の古典調弦(本調子・二上り・三下り・六下り)
- 箏の調子プリセット
- 基準ピッチを 438〜444 Hz で微調整
- クロマチック表示で半音単位の確認
開発の裏側
見た目はシンプルなチューナーですが、和楽器向けに仕上げるまでには思ったより時間がかかりました。率直な備忘録として、手こずったところを残しておきます。
純正律の切り替えと、音の判定精度
いちばん悩んだのは、平均律と純正律の切り替えと、そもそもの音判定の精度でした。和楽器の音は立ち上がりや余韻にクセがあり、洋楽器と同じ感覚で周波数を拾うと表示が暴れます。基準の取り方や、どこまでを「合っている」と見なすかのしきい値を、実際に弾きながら何度も調整しました。純正律は基準音からの相対で決まるため、切り替えたときに表示が破綻しないよう気を配っています。
明朝フォントを同梱したら、リリース版が崩れた
和の雰囲気を出すために明朝系のフォントを同梱したところ、開発中は問題ないのにリリース用にビルドすると表示が崩れる、という現象に悩まされました。ビルド時の最適化とフォントの同梱まわりが噛み合っていなかったのが原因で、ここも設定を詰めて解消しています。動くものを作るのと、配布できる形にまとめるのは別の作業だと改めて実感しました。
実機での音量・可聴性チューニング(v1.0.3)
エミュレータや手元の1台では良くても、実機によってマイクやスピーカーの特性が違います。音量や聞こえ方を実機で確かめながら微調整し、v1.0.3 で可聴性まわりを整えました。地味な作業ですが、こういうところで使い心地が変わります。
ダウンロード
プライバシーと、これから
くり返しになりますが、とわいとはマイク音を端末内でのみ処理し、外部送信も個人情報の収集も行いません。調弦のためのシンプルな道具として、安心して使ってもらえればと思います。公開後も少しずつ手を入れていて、練習用の録音やメトロノームを加えた次の更新も準備中です。和楽器に触れる時間の、ささやかな助けになればうれしいです。
調弦そのものについては、箏・三味線の調弦と、調弦ツールを作った話もあわせてどうぞ。
本記事は、とわいと v1.0 の公開日(2026年6月21日)にあわせて公開しています。
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